ゴトリ。



オレの机の上に 血まみれの 手。

目の前には 左手からドバドバ血を出して突っ立ってる カスが一人。



「う゛ぉおぉい 勝ったぜぇ゛」



フラフラしながらカスが言った。



「勝った割にはボロボロだな」


「うるせぇ 勝って直で来てやったんだぜぇ」


「うぜぇよ カス」



ちっ カスのせいでさっき仕上げた書類が台無しだ。



「オレの机を汚すんじゃねぇ」


「う゛ぉおぉい ひでえなぁ せっかくのプレゼントなのによぉ」


「はぁ?」


「知ってるかぁ? ジャポーネの昔の娼婦はよぉ 

 自分が愛した男に誓いを立てるために自分の小指を切り落として送ったらしいぜぇ」


「 ... だからなんなんだよ...」



嫌な予感 この先は聞きたくない。



「オレの誓いだぁ 受け取れよ 覚えておけよぉ 俺の愛は小指程度じゃあ 収まらねぇぜぇ」


「 ... 剣帝に切り落とされた手ぇ持ってきて それっぽい事言ってんじゃねぇよ」



だからこのカスは嫌いだ。


( 勝手にオレに そんなに重いものを押し付けるな! )



「う゛ぉおぉい 勘違いすんなよぉ コレは自分で切り落としたんだぜ 

  オレは剣帝と同じ条件で勝った」


「 ... 」


「なぁ XANXUS オレはおまえの横に立ってられる位には強くなったぜぇ ... 」



カスはそろそろ出血が酷くてフラフラ。

オレはコイツがウザったくてイライラ。



「なぁ オレに頼れよ ... 」



ズルズル  

バタン。

それを言って 倒れたカス。



「勝手に言ってろ」



瀕死のカスに一言言って俺は部屋を出た。




 
コイツがこのまま死んでくれたらもう 煩わしい思いをしなくてすむのだろうか。

イライライライラ

ため息を一つ。




イライラライラ